中田英寿 現役引退
私が尊敬する人物の一人だ。
2006年6月22日ブラジル戦。結果は4−1。日本の惨敗。
試合が終わり選手が去ったグラウンドの真ん中でいつまでも
起き上がらない選手が居た。中田英寿である。
感情をあまり表に表さないことで有名なヒデ。そんな彼の目に
涙が浮かんでいた…。
そうだろう…。おそらく彼にとって人生で最後のワールドカップだ。
人生で最後のワールドカップが今、この瞬間終わったのだ…。
今後2度とこのピッチに立つことはない。今後2度と日本代表として
ワールドカップを戦うことはない。彼はきっとそんな事を想って
いるのだろう…。
しかし、私は彼を称えたかった。
彼のプレイをではない。彼が流した涙をだ。
彼は涙を流し、周りの誰もが去ったピッチに一人倒れ、
いつまでも起き上がることができなかった。
それは彼の感情が誰よりも強かったからに他ならない。
それは彼の行動が誰よりも必死だったかに他ならない。
そんな彼の行動、彼の涙を私は称えたかった。
2006年7月3日。
ニュース速報がテレビを通して飛び込んできた。
目を疑った。「ヒデ現役引退。」
「え…」思わず上げた声。そして先日の彼の行動がどういう
意味を持っていたのか理解した。ワールドカップだけに対する
感情ではなかったのだ。
彼がこれまで20年間必死に取り組んできたサッカーという
人生の一部に終止符を打つ。それを考えたときに湧き上がる
感情こそ、彼を涙ぐませた感情だったのだ…。
ヒデ。
ただ単純でありきたりなセリフを私は伝えたい。
「残念だよ。」
あなたのプレーはワールドカップという大きな舞台がなくとも
日本人の心を震わせ続けただろう。
そして多くの人々に「本気で物事に取り組むとはどういうことか」
を実践を持って伝え続けただろう。
「残念だよ。」
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