あれも書かないと、これも書かないと…と思いすぎて何も書けなくなっている者です。
今回はタイトルの通り
Wii版
メタルギアのレビューです。
…とはいっても”本当の”
Wii版
メタルギアは発売されてません。
Wiiで遊ぶ
GC版
メタルギア、
メタルギアソリッドツインスネークスのレビューです。
ツインスネークスは、
GCで発売された
メタルギアシリーズ作品。
メタルギアは(いまさら説明するまでもないかとは思いますが)タクティカル エスピオナージ アクション(戦術諜報アクション)という、ただ敵を倒すだけのアクションゲームを「敵に見つからずに潜入する」アクションゲームに進化させたゲームです。
そんな
メタルギアの中で、初めての3D版
メタルギアとしてスタートしたのが”ソリッド”シリーズ。
メタルギアソリッドの略語「M・G・S」がテーマのシリーズです。それぞれMENE(ミーム : 文化的遺伝子)、GENE(ジーン : 遺伝子)、SCENE(シーン : 時代)。(対応は
MGS2・
MGS1・
MGS3の順。この意味は偶然
MGSになったもので、意図して
MGSとなるような組み合せを選んだのではないと、小島監督はインタビューにて答えている)
今回の
ツインスネークは、PS1で初めての3D版
メタルギアとして発売され、「20世紀最高の物語」とまで評価された
メタルギアソリッドを、「21世紀最高のゲームシステム」と評価された
メタルギアソリッド2のシステムを使って完全リメイクした作品です。


まずは、
ツインスネークというよりも
メタルギアソリッド(PS1)から共通の素晴らしいトコロ。
メタルギアソリッド(PS1)から既に存在した優れた点だが、どれも
ツインスネークで失われる事無く実現されている。
(1)テンポが素晴らしい
近年のゲームには、ボリュームを追い求めるあまり、前置きが無駄に長いものが多い。ダラダラと長すぎる前置きに興醒めし、本編までたどり着くまでに力尽きてしまった経験がある人も少なくないのではないだろうか。
ツインスネークスでは、本編に入るまでの事は回想のような形で「語り+回想映像」で綴られ、プレイヤーは本編からイキナリプレイできる。
非常に優れたバランス感覚だと言える。
(2)飽きさせない仕組み
ゲーム全体を眺めても、飽きさせない仕組みが良く出来ている。
非常に特徴的な中ボスが何人も用意され、そのボスごとに全く異なる戦い方が用意されている。
これにより、ボスごとに全く新鮮な気持ちで飽きずにプレイすることができる。
かつ、どれもしっかりと
メタルギアなのだから、このバランス感覚にも脱帽だ。
(3)攻略法がゲームの中にある
無線によって攻略法が教えてもらえるシステムも素晴らしい。
自分で攻略したいひとは無線を使わなければ良い。難しいと思ったら無線を使えば良い。インターネットで調べ、パソコンの画面とにらめっこしなくても、攻略本を買わなくても攻略できるのだ。
(4)気持ちのいいジョーク(?)
テーマは非常に重厚で、リアリティのある設定にも関わらず、色々なところで遊び心がみられるのも面白い。
登場人物が重要な無線の周波数をド忘れしたあげく、「そうだ。パッケージの裏に書いてあるはずだ。」などと言い出し、ゲームソフトのパッケージの裏の写真をみて無線をすることになるといったものがある。
リモコンを繋ぎ直すことで、心を読まれることを防いだり、メモリーカードのデータを読み込み他のゲームのプレイ状況を言い当ててみたり、これまでのセーブ回数から慎重かどうかを言い当てるなど、心地よいジョークがふんだんに盛り込まれている。
そして、
ツインスネークならではの素晴らしい点。
本作のウリは
(1)「最も評価の高い物語(
MGS1)を、最も評価の高かった
ゲームシステム(
MGS2)で再現した」という所。
(2)リメイク≠移植であり、マップ・エフェクト・モーション・
ポリゴンデモなど、ゲームを構成する全てが完全に
作り直されているということ。
(3)ストーリーパートの演出を、「VERSUS」「あずみ」などの
監督、北村龍平氏が務めていること。
(4)「エターナルダークネス」などを手がけたカナダの
シリコンナイツがキャラクター、ステージなどのモデルを
制作し、プログラム、サウンドを担当していること。
なのだという。
(1)は、全くその通りだった。シナリオは序盤から非常にテンポが良い。
そして、しっかりとどんでん返しで楽しませてくれる。
システムも「主観モードで狙い撃ちでき、ヘッドショットで即死(即眠)が狙える」「ゲーム中の小物にまで干渉でき、プレイヤーによってクリアの仕方が変えられる。」など完璧に進化している。
(2)も申し分ない。最近のPS2などでゲームを楽しんできたユーザーでも大満足の映像が楽しめる。
(3)に関しては、好みが分かれるだろう。ムービーシーンが北村龍平氏の監修により制作されたらしいのだが、「スローモーション&カメラ移動で回避する」というシーンがこれでもかと使われているのだ。そう、まるでマトリックスであるかのように。確かに超人的な主人公ならば、そんなこともできてしまうのかもしれないが、あまりにくどいように感じられたのは事実だ。
(4)も申し分ない。映像、システム、エフェクト、ステージ、キャラクターなど全てが間違いなく
メタルギアソリッドであり、難易度も日本人向けだ。
このように、(3)以外は全くウリの通りで、非常に素晴らしいゲームに仕上がっている。
私が特に感心したのは(1)のシステムの進化だ。
3Dの活用とゲームシステムが非常にマッチしている。
赤外線センサーを潜り抜ける時、タバコの煙を吹きかけて可視化してもいいし、背後の消火器を撃って可視化してもいいし、装置を撃って破壊してもいいなどゲームに幅を産んでいるのだ。このような進化がいくつも見られる。
”3Dならでは””ハードウェアの進化があってこそ”面白くなったという、稀有な例と言えるだろう。
また、ゲームバランスも改善されている。
ツインスネーククリア後、
メタルギアソリッド(PS1)をプレイしてみたが、即ゲームオーバーに…。「HPが少ない」というような根本的なバランスはもちろんだが、「ヘッドショットができないのでナカナカ敵が死なない」「カメラの破壊ができないので監視カメラが非常に厄介」など、システムの進化によって難易度が変化していることがよく分かった。
とはいえ、不満点もないわけではない。
以下が不満点だ。
(1)VRトレーニングモードが排除されている
(2)初期ステージの難易度が高い
(3)英語音声と日本語字幕のミスマッチ
(1)のVRトレーニングモードとは、Virtual Reality Training Mode のことだ。シミュレータを使ったトレーニングとして、チュートリアルを体験できる。
ここには、ゲームの仕組みを理解する、匍匐などテクニックの活用法を理解する、ゲームの楽しみ方を理解する、などが全てつまっている。
特にレベルデザインは秀逸で、チュートリアルを作成する全ての人に、このVRトレーニングモードだけでもプレイしてもらいたいほどだ。
このVRトレーニングモードをプレイすれば、
メタルギアソリッドをプレイしたことが無い人であっても、
メタルギアソリッドがどんなゲームなのか理解し、どのようにプレイしていけばいいのか、想像できるだろう。
その非常に優れていたVRトレーニングモードが
ツインスネークでは排除されている。非常に残念だ。
(2)は、(1)の弊害とも言える。「最初のステージから敵兵が複数居る」という状況や、普通に歩いても音が鳴り気づかれる「水溜りが最初のステージからある」など、初期ステージの難易度が高いように感じられる。
VRトレーニングモードに「音が鳴る床に注意する」という主旨のステージがあるので、PS1版であれば問題なかったのかもしれないが、それを通らずにいきなりプレイするステージとしては難易度が高い。このあたりはきちんと調整してほしかった。
全体的には麻酔銃の導入や、カメラ破壊などが可能になり、難易度は下がっているのだが。
(3)は、そのままだ。
ツインスネークは全編英語音声となっている。英語音声に(おそらく)日本語版の字幕をそのままつけているものだから、会話のペースがあっていない。
日本語字幕を読んでいる途中に、(音声の関係上)画面が切り替えられてしまう事もしばしば。またフォントサイズがあっていなかったのか、演出ミスなのかは分からないが、読みづらいフォントもいただけない。
メタルギアシリーズは簡単なゲームではない。
「敵に見つからずに潜入する」というゲーム性なので、ガチャ押しなどが通じるゲームではないし、見つからない為に頭を使う必要がある。
また、敵キャラクターが”きちんと人間”なので、「仲間を呼ぶ」「こちらの銃撃を避けるために隠れる」といった行動をする為に、難易度が高くなってしまっている。
敵に発見されると、集団で蜂の巣にされて、即ゲームオーバーというのが常だ。
しかし、それは「自分なりの発見されないルートを探し出す」といった”攻略方法を自分で探し出す面白さ”へ通じる道だともいえる。
つまり、「イッパツでミスなくクリアしようとするゲーム」として本作を捉えると難しいのだ。
メタルギアは、何度も失敗し(敵に発見され)ながら、コンテニューを繰り返し、自分なりのクリア方法を探すことを楽しむゲームだと考えるべきなのだろう。
本作は、上で書いたようにいくつか不満点もあるが、全体的にみれば素晴らしいゲームだと思う。米フォーチュン誌にて「20世紀最高のシナリオ」と評価されただけあって、シナリオも素晴らしい。
今からPS版の
メタルギアソリッドをプレイするのは、目が肥えた我々には少々辛いものがある。しかし、
ツインスネークであれば素晴らしい映像で最高のシナリオを楽しめる。
また
メタルギアソリッド1の登場人物が登場するなど、最新作
メタルギアソリッド4にもリンクしている。
Wiiを入手できた人は
Wii版
メタルギアソリッドとして、是非一度プレイしてみてる事をオススメしたい。
●そのほかに気づいた事
・実写ムービーを織り交ぜられるのは
メタルギアシリーズならでは。
・最近の
メタルギアシリーズは「Hideo Kojima game」となっているが、PS版の頃は「A game by Hideo Kojima」だった。
・KCE JAPAN の JAPAN の文字が非常にデカイ。
・オープニングムービーで表現できなかったであろう赤外線センサーが、
ツインスネークでは表現されている。

テーマ:Wii(ウィー)総合 - ジャンル:ゲーム
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